子どもの性被害を守るために、現在、政府で検討が進められてる「日本版DBS」の導入。早ければ秋の臨時国会で法整備を行う考えも示されています。再犯率が高い子どもへの性犯罪を防ぐための仕組みとして期待されていますが、有識者会議の委員は「2つの課題」を指摘します。

“性犯罪歴データベース” 痴漢や盗撮は対象外?線引きの難しさ

久保田智子 NEWSDIG編集長:
イギリスの制度をモデルにしている「日本版DBS」。子どもを性被害から守るため、現在、政府が検討を進めていて、秋の臨時国会にも早ければ法整備が行われます。

どんな制度なのかと言うと、性犯罪歴がある人を国がデータベース化し、管理します。これを学校や保育園などの教育現場で職員を採用する際、その人に性犯罪歴がないかどうかを確認する、情報を得ることができるというものです。

なぜこの制度が必要なのかというと、背景には子どもへの性犯罪の再犯率が高いと言われている点があります。ただ、導入に向けては大きく2つの課題が指摘されています。

<課題1>どの犯罪をデータベース化?
▼有罪判決を受けたものに限るのか
▼不起訴処分も含むのか
▼行政処分(条例違反)も含むのか

「日本版DBS」有識者会議メンバーの磯谷文明弁護士によると、制度開始の段階では「有罪判決を受けたものに限られるのではないか」ということです。

不起訴処分というと性犯罪行為が確定しているわけではないんですが、子どもを持つ立場だと、このグレーなものも含めて対象を広げてほしいという気もします。

小川彩佳キャスター:
子を持つ親としては気が気じゃないですし、なるべくリスクは排除してほしいという思いがありますよね。特に子どもが幼い頃は、性被害を受けてもそれが性被害だと気づかない。気づくときには6~7年たっているというデータもありますから、なるべく厳しくという思いを抱えてしまうんですよね。

山本恵里伽キャスター:
もし有罪判決を受けた者に限るとなった場合は、痴漢や盗撮は対象外になる可能性があるわけですよね?

久保田編集長:
行政処分に当たる場合、迷惑防止条例だと、含まれ「ない」ということになります。

山本キャスター:
それだとちょっと抜け目ありすぎるんじゃないかなと個人的には思ってしまいます。

ジャーナリスト 澤康臣さん:
非常に難しい問題です。これをパーフェクトに全く水も漏らさぬものを作ろうとすれば、今度は100%が101%、105%という関係ない人を巻き込んでしまう。

あるいは犯罪かどうか微妙なものも巻き込んでしまうと、今度は冤罪の問題です。特に示談の問題は非常に悩ましいところかなと思います。