兵頭哲二気象予報士:
8月25日金曜日、午後6時15分頃に、TUYのお天気カメラにものすごく綺麗な空が映りました。

こちらがその空なんですが、よく空を見ていただきますと、空の色が2色にわかれています。

西から、東の空までくっきりと空がわかれています。どうしてこんな現象が起こったのでしょうか。

これは西の空を映した写真です。こちらは「薄明光線」という現象なんです。
大きな積乱雲が西の空に出ていました。その向こうには沈みゆく太陽があったわけです。この太陽光線が積乱雲に遮られて、光の当たっていないところは暗く、光の当たっているところは明るく見えたことで、2色にわかれました。

この空の色がわかれている現象ですが、反対側の東の空まで光が伸びていて、くっきりとわかれた状態になっています。

太陽がある側の空は薄明光線と呼びましたが、反対側は「反薄明光線」という名前がついています。

この薄明光線にはこんなパターンもあります。

こちらは「天使の梯子」といって、太陽が割と高い位置にあるときに、上から光が差すと、雲の隙間から漏れ出た光が筋になって見える現象のことです。
ただしこのときは、光が上から下に向かって差していますから、反薄明光線はできません。

今回、「反薄明光線」が綺麗に見えた理由は、太陽が沈むタイミングだったため、横から雲に光が当たった。そして東の空にはほとんど雲が出ていなかったということでくっきりわかれた状態が続いたということです。
結構珍しいと思います。
ではもう一度見てみましょう。西の空には積乱雲が出て、太陽の光が遮られています。
この空の色の違いをよく見ると、ずっとひと続きに反対の空まで伸びているということがよくわかります。
こういう面白い綺麗な現象を見かけたら皆さんもぜひ写真を撮ってみてください。