台風9号と台風11号が急接近すれば「進路は複雑化」

この先の台風9号と台風11号の進路予想を見ると、数日後に台風同士が接近する可能性があります。前田智宏気象予報士は、台風同士が接近すると、ある複雑な関係性が作用して、動きが読みにくくなる可能性があると指摘する。その関係性を言葉に例えると、「振り回されたり」「後ろをついて行ったり」と、まるで人間同士の関係のように見える一面もあるというのです。
前田気象予報士:二つの台風が同時に日本の近くにある「ダブル台風」の状態になると、ある複雑な関係性がありまして、その関係性には「藤原の効果」という名前がついています。効果を発見したのは、藤原咲平さんという方で、長野県諏訪市のご出身、中央気象台(今の気象庁)の台長を務めて、お天気博士としても親しまれた方です。藤原の効果は、二つの台風の距離が約1000キロ以内にあるときに作用するといわれ、6つの型に分けて説明されることが多いです。
①相寄り型:一つの台風に比べてもう一つの台風が明らかに弱いとき。弱い台風が強い台風に巻き込まれるような形になって、急速に衰弱し、やがて一つの台風に融合するような形になる。弱肉強食みたいなイメージかもしれません。いっぽうのパワーを得て、もう一つの台風が強くなることもありますので要注意な型です。

②指向型:台風は、反時計回りの渦ですから、その渦の一部に巻き込まれるような形になって、一つの台風が、その周りを回っていくようなかたち。一つの台風が動きを支配して、もう一つが振り回されるような感じ。

③追従型:一つの台風の進路に吸い寄せられるようにしてもう一つの台風が後をついて同じような経路で追っていく。台風が立て続けにやってくるパターンです。こうしてみていくと、振り回されたり、後をついていったり、人間関係みたいなところもあります。
