アメリカやヨーロッパ 台風11号の進路予想は

アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。
27日午後3時の発表で、台風9号、10号に関する情報とは別に、オレンジ色の丸で表示されたエリアについて熱帯低気圧に関する情報を発表しています。
JTWCでは定めた基準以上に発達する雲のまとまりができると、LOW(黄)→MEDIUM(オレンジ)→HIGH(赤)へとレベル分けして情報を発表します。赤色になると台風の発生時期に近づいた目安となります。それぞれの意味は以下の通りです。
LOW(黄):監視対象ではあるが、今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性は低い
MEDIUM(オレンジ):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性も高まっているが、発達するには24時間以上かかる見込み
HIGH(赤):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する見込み

気象庁の進路予想で示される予報円は「その時刻に台風の中心が入る確率が70%」を意味しています。予報円の大きさは進路予想のブレ幅を表します。
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
気象庁は台風の進路予想についてアンサンブル予報の結果は公表していません。そこで、一般にも公開されている海外の予報機関の結果を参考にみていきます。
アメリカ海洋大気庁

アメリカ海洋大気庁の240時間先までのアンサンブル予想結果です。西寄りへと進んだ後に、北よりへと向きを変えています。ただ、これを見てもわかるように北上する先は中国大陸から東シナ海、そして西日本まで非常にバラツキが大きいことがわかります。どこへ向かうのか、またどれくらいの勢力になるのかは正直ハッキリしない状況です。
ヨーロッパ中期予報センター

ヨーロッパモデルの予想も西よりからその後、北上を示すデータがありますが、こちらも予想にはかなりのバラツキがあります。日本の南の海上に北上してきたあとにどこへ向かうかはまだよくわからないというのが現状です。
これらの予想は、まだかなり先の予想で大きな誤差を含んでいます。日本列島に向けて北上してくるのかまだ断定的なことは言えませんが、その可能性がそこそこ高まっているのは確かなようです。最終的には気象庁から発表される進路予想を参考にしてください。
9号や10号の動向も含めて、しばらくは日本の南の海上から目が離せない状況が続きそうです。