国内最多のアフガニスタン人が暮らす千葉県 子ども食堂などと提携するフードバンクの活動

こうしたなか「日本に住むアフガニスタン人の生活を支えたい」と支援活動を行う日本人の姿もあった。

「とうかつ草の根フードバンク」の活動

8月8日、千葉県鰭ヶ崎。午前9時にも関わらず、気温が30度近くなる中、ボランティアスタッフが野菜や米などを、段ボールや袋に分けていた。

県内の東葛飾地域でフードバンクによる支援を行う団体の活動。2019年から地域の子ども食堂などと提携し、子どもや必要な家庭に食料を届けている。
 
千葉県には、千人以上が居住する四街道を中心に、都道府県で最多のアフガニスタン人が暮らしている。フードバンクの代表・梅澤さんが、彼らの生活が困窮していることを支援者から聞き、今回の取り組みにつながった。

「とうかつ草の根フードバンク」代表 梅澤一雄さん

「とうかつ草の根フードバンク」代表 梅澤一雄さん
「必要なところに必要なものを届けたいっていうだけなので。それが日本人であろうが、外国人だろうが全く関係ない。少しでも役に立てれば」

午前10時ごろ、2人のアフガニスタン人男性が県外から車で食料を受け取りに来た。

うちひとりは、日本大使館の元現地職員だったという40代の男性。タリバンが復権するまではドライバーとして働いていたが、同じく家族とともに日本へ逃れた。男性は「仕事がなく、生活は限界に来ている」と訴え、食料支援は「本当に助かります」と、繰り返し話していた。

食料を受け取るアフガニスタン人

このあと、梅澤さんらは千葉県内や東京都などアフガニスタン人の家庭、あわせて16世帯に食料を届けてまわった。取材したアフマドさんが暮らす地域にも届けられた。

この日は、退避者らの状況を研究する千葉大学の小川玲子教授も同行していた。たとえ一時的な支援であっても、地域社会との繋がりを感じられることは「彼らにとって大きな意味があると思う」と話した。

千葉大学 小川玲子教授
「何よりも就労が課題。彼らの経験を活かすことができないか。ウクライナ避難民については、多くの企業が就労をサポートしているケースがある。そうしたことをアフガンや他の人にも広げられないか」

フードバンクに同行した千葉大学の小川玲子教授