18歳以下の自殺者の日別の人数は、多くの学校で夏休み明けとなる9月1日が、1年の中でも突出しているという厚生労働省のデータがあります。夏休みの間に不安や孤独を感じている小中高生が多いともいえるのではないでしょうか。

そこで、少年院などで少年少女に向き合い、命の授業を開いて、人生を生きていく上で大切なメッセージを届けているTIMのゴルゴ松本さんに、SBSラジオ『IPPO』パーソナリティの牧野克彦アナウンサーが聞きました。

「物事って考え方、角度一つで変わるよ」って、親戚のおじさんが語りかけるように

牧野:ゴルゴ松本さんは、いろいろな子どもたちに接して命の授業という取り組みを長くなさっていますが、子どもたちにどんなことを伝えていらっしゃいますか?

ゴルゴ松本:そのときの状況を見て、授業やるっていうより、まず子どもたちと会話をしてから、「こんなおじさんですよ」っていうところから会話を始めて、そのやり取りの中で出たキーワードをもとに漢字を使って説明していくっていうやり方をしてます。少年院にいる子どもたちとか若い子たちはまだ経験が少ないじゃないですか。なので、物事っていうのは考え方、角度一つで変わりますよっていう話をしていきます。考え方もいろんな角度からの見方っていうか、一方通行じゃなくて双方向であったりとか、自分が正しいと思う外側には自分の知らない常識があったり、時代が変わったら非常識が常識に変わることって世の中にはあるんだよっていうふうに伝えてますね。

牧野:少年院での授業は、2011年頃からやっているそうですが、少年院での授業の様子ってどんな雰囲気なんですか?

ゴルゴ松本:そうですね、僕の目の前にいる子どもたちは、社会にいるときは犯罪を犯してしまった子たちなんですが、目の前にすると普通の少年少女にしかみえないですよね。だから、もう「親戚のおじさんだと思って話を聞いてよ」っていうスタイルで、いろいろ話し始めて、非常に前向きな言葉を言うようにはしています。漢字を使って人生の意味というものがみつかるといいね!なんていう話ですね。

牧野:どういう話をしたことがあるか、一つ教えてもらっていいですか。

ゴルゴ:例えば「口」に「+」と「ー」と書いたら「吐く」という漢字になります。変なものを食べて気持ち悪くなるということがあるじゃないですか。それは体の中に入れておくのにはよくない物があるためです。ほかに「吐き出す」といったら、弱音を「吐く」。自分の中にある不安や辛い気持ちで、ついつい弱音を「吐いて」しまう。でも、これは重要なことなんですね。よくないことなので、吐き出すという自然な行為なので、とにかくネガティブでマイナスな言葉は吐き出してください。「もう逃げたい」とか「やめたい」とか、そういうマイナスな言葉を「吐き出して」減らしていくと、「口」に「+」「ー」の下の「ー」を少しずつ小さくしていくと、「口」からは「+」しか出てこなくなる。つまり、その「口」と「+」で「叶う」っていう漢字なんです。

牧野:本当だ!

ゴルゴ:だから、夢とか目標を持ったら、口からたくさんプラス思考な言葉を取り入れるようにすると、夢は「叶って」いく形になりますよといった「漢字が教えてくれてるよ」っていう話をいっぱいしますね。言葉っていうのは言霊が宿るので、やっぱりプラスの言葉をたくさんいえるということは非常に大事ですね。