プーチン大統領の関与は?
では、なぜこのタイミングとなったのでしょうか。
小谷教授によると、「プリゴジン氏がいなくても、ワグネルの組織を、プーチン傘下で動かせる準備が完了したから」ということです。
ワグネルは、プリゴジン氏が中心となって事業を展開していて、アフリカの資源の掘削権を持っていたり、軍事協力などを行っていたりする。ロシア国内でも、軍事的な活動のみならず、レストランや不動産業など、幅広いビジネスを展開していた。
ところが、ここ数か月かけて、プーチン側は、プリゴジン氏の事業を引き継げるような形で、準備を着々と進めてきていたということです。
ジェット機には、ワグネルのナンバー2と言われている、ウトキン氏ら幹部も乗っていたとみられていますが、こういった幹部がいなくても、プーチン傘下で、ワグネル組織を動かせるというタイミングだったのではないかということなんです。

笹川平和財団の畔蒜泰助 主任研究員によると、「ここ最近のプリゴジン氏の動きを見て、“粛清”したのではないか」ということです。
アフリカなどで、プリゴジン氏は自由に行動していて、動画も配信をしていました。こういった行動を、政府への対立、と判断したのではないか、ということなんです。
暗殺ともみられるジェット機の墜落。今後どうなっていくのか。
各国の反応です。

リトアニアのナウセーダ大統領「(安全保障への脅威は)ほとんど変わらない」
ポーランドのモラウィエツキ首相「プリゴジン氏に代わって、プーチン氏が指揮するようになれば、ワグネルの脅威はさらに増す」
井上貴博キャスター:
プーチン大統領としては、プリゴジン氏のグリップが効かなくなっていましたので、ここで何もしないと、今度は軍部から突き上げられて、自分が危うくなる。力を見せるために、何かしなければならない。独裁国家の粛清っていうのは、これまでもあったわけですけど、こんなにも早いタイミングで、しかも、こんなに派手な手法で、というのは驚きました。
産婦人科医 宋美玄さん:
外から見ていると、どうしてロシアの国民の方たちは、プーチン大統領を支持してるのかなと思っちゃう。あからさまな暗殺と言っていいんでしょうか、これが、どのようにロシアで報じられてるかもすごく興味がある。歯向かって、用なしになったら粛清っていうのに対して、みんなが恐怖のまま、ついていってるのか。それとも、国の敵であるっていうふうに先導されて支持してるのか。そういったところも気になりますよね。
井上キャスター:
北朝鮮も同じようなことが言われてますけれども、情報がないと、いかに見えなくなってしまうのか。情報統制をすれば、自分のものになってしまう、というところあるのかも知れない。
産婦人科医 宋美玄さん:
世界情勢において、すごく力を持ってる人なので、この先も気になるところです。