お盆期間に台風7号などの影響で大きな混乱となった新幹線。日本近海では現在、台風9号・10号が立て続けに発生していますが、今後、台風が来るたびに同様の混乱が起きてしまうのでしょうか。そうした中で、8月25日、東海道新幹線を運営するJR東海の社長が定例会見を行いました。そこで語られたこととは…。会見を取材したMBS大吉洋平アナウンサーの報告です。

お盆期間で「運休を最小限に」という大前提の判断

 東京駅近くの建物で、JR東海の社長定例会見がありました。会見が始まって割とすぐ、8月15日の台風7号に伴う計画運休、そして翌日の大雨による乱れで、ご不便ご迷惑をかけたと謝罪ととれる発言がありました。

 なぜ今回、大きな混乱を招いたのか、その背景にあるのは、そもそも台風や大雨が発生したとき、基本的には、列車の本数を減らすという対応をとることが常なのですが、今回はお盆休みが重なったため「運休を最小限に」という大前提の判断があったそうです。

 15日の計画運休によって、あふれ出ている乗客もいるため普段と違う判断、列車の本数を減らすのでなく運休をできるだけ最小限にという判断があった。ただこれが結果的に遅れを広げる原因になったのは反省の大きなポイントだと、社長は語っていました。

 新大阪駅は大変な混乱がありました。列車が許容を超えるほど多くやってきて、溢れ出てしまった。近くの車両基地を利用したとしても、溢れ出ていた列車の量が多かった。そこの対策としては今後、京都駅や米原駅を活用しながら、新大阪が満杯にならない対策をしていく必要がある、こういったことを社長は話されていました。

 そして「そもそもJR東海のこの線路、盛り土で作られて雨に弱いと指摘されているが?」という質問に対して、JR東海としては、盛り土にコンクリートを貼るなどの対策はこれまでしてきていると。全てを抜本的に変えるのは正直厳しいんだ、こういった話がありました。

 一方、有事の際の待機場所です。今回も新大阪でも東京駅でも、休憩車両というものを設けた。大阪ですと3000人、東京で1500人ぐらいが利用しました。ただそれ以上の量となってくると自治体との協力であったり、防災という観点から協力を得ないと難しいんじゃないかという話がありました。