「また、立体的な演出は弊社内で過去にもそれほど前例があったわけではなかったので、制作面でもかなりチャレンジングな取り組みでした。走り高跳びのシーンのような、どの位置から見ても認識できるような動きの付け方など、試行錯誤を重ねて制作しました」

ー実際に成功し、スタッフからはどんな声が?

「今回は台風が近づいていたこともあり、時折風が強い状況、また2日目は雨の心配もあったため、実施成功後は安堵の声があがりました。撮影班含め、現場にいらっしゃった方々のほとんどが、ドローンショー自体を初めてご覧になったと思うのですが、動画やテレビで見るよりも何倍も大きな規模感だったようで、カメラマンの方が撮影しながら「うぉー!」という驚きの声を上げていましたね」

ー中国などでは5000台規模のドローンショーが行われていますが、これを実現しているのはどういう技術的背景があるのでしょうか。

「基本的な技術は同様のものですが、中国など諸外国と日本では電波のルールが異なります。利用可能な周波数帯域も日本と比べると広く、発することができる電波の強さ(電波強度)も日本国内で合法的に使える通信機器と比べると大幅に強いので、より遠くまで安定的な電波を飛ばして制御することができます。国内の電波法がグローバルスタンダードにまで緩和されれば、日本でも5000台規模のドローンショーが誕生するはずです」

ハードウェア・ソフトウェア上での技術革新、更に測位に関する技術の進歩や規制緩和によって、日々前進しているドローンショー。日本でも数千台規模でのドローンショーが見られる日が来るのかもしれない。