上皇さま
「こっちが浅間山かしらね」
上皇后さま
「きょうは見えない」

上皇后さま
「アサマフウロがございますよ、ツユクサがずいぶんたくさん」


上皇后さまの手を取って高原野菜の畑を散策される上皇さま。

涼やかな風が吹く中、お二人はゆったり、にこやかに会話を交わされていました。

お二人が散策された農地は、戦後、中国の旧満州から引き上げてきた人たちが入植した開拓地です。

上皇ご夫妻は、山林を切り開いた人々の苦労に心を寄せられ、2015年に記念館を訪問。

開拓に携わった人々と懇談しました。

その一人、市川渥夫(いちかわ・あつお)さん88歳。

3歳で家族と旧満州に渡り、難民生活で父と2人の姉を亡くし、11歳で帰国、子どもながら開拓に従事しました。

市川さんは、ご夫妻の4年ぶりのご訪問を「ありがたい」と話します。


市川渥夫さん:
「これはね、なんていうか救いじゃないんだけど、ありがたいことだね。目を向けていてもらえるってことがね」
「みんな喜ぶし喜んでくれるしね。大歓迎なんですよ」

大日向出身の女性:
「本当にありがたいと思います」
「どうぞ健康で、ぜひ毎年来ていただきたいと思います」

上皇ご夫妻の思い出の地、そして平和に思いを寄せられる町、軽井沢。

お二人は29日まで滞在される予定です。