審判員と仕事の“二刀流”

試合の際は交通費と数千円の手当が出ますが、防具などは自前。審判員の大半が平日に仕事を抱えています。講習会に参加した人も…

「タイヤ工場でタイヤ作ってます」
「社会福祉協議会に勤めています」

審判歴20年の辻健太郎さん(47)。平日は松阪市の施設で、引きこもりや認知症など悩みを抱える人を支援する社会福祉士として働いています。野口さんの上司は…。

(嬉野地域振興局地域住民課 野口伸也課長)
「県大会も(辻さんが審判をしているのを)テレビで拝見した。業務が大変な中で高校生の青春のために頑張っている」

一方で、土日は練習試合の審判。年間で100試合以上の審判を行っています。

(辻健太郎さん)
「(3月など多い時期は)土日祝はほぼ練習試合入ってきますよね。月曜日の朝はちょっと仕事のエンジンがかかるまではしんどいですが、でも好きでやっていることなんで」

もともと、野球経験は全くなかった辻さん。20年前、たまたま目にした夏の甲子園に魅了され、審判の世界に。

(辻健太郎さん)
「審判が一番ベストボジション。捕手の後ろで見渡せて、一体感というのは職場では味わえない」

5年前には夢の舞台にも。三重県代表の審判として、夏の甲子園で塁審を担当しました。

(辻健太郎さん)
「2018年の100回大会で行かせてもらった。夏の大会だと一球一打への歓声とか盛り上がりもそうだし、際どいプレーだと一瞬静まるんですよね」

甲子園では、2週間の長期休暇を取った辻さん。仕事や家庭と審判員の両立は決して簡単ではありません。

(辻健太郎さん)
「本当に気持ちがないと。週末遊んだり彼女ができたりすると、こうして土日練習試合に捧げられるか…厳しい現実ですよね」