侵攻から100日以上が過ぎました。今回の戦争はなぜ始まったのか。“英雄視”されるゼレンスキー大統領は何をしたのか。プーチン大統領は自国兵に多くの死者を出しながらなぜ戦い続けるのか。核兵器のボタンはどうするのか。そして、どうすれば、この戦争を終わらせることができるのか。
湧き出る疑問や不安に、TBSの元モスクワ支局長で、今日のウクライナ戦争に続く、2014年のクリミア併合・ドンバス紛争の砲弾の中取材に走り回った豊島歩海外担当解説委員が、独自の視点で、熱く語ります。
(聞き手:TBSテレビ政治担当解説委員 石塚博久)

■8年前から“侵攻”は続いていた・・・

(2014年から15年に取材したウクライナのドンバス地方で撮影した写真を紹介しながら)
ーーこちらの方はどのような状態?

豊島:
砲弾が落ちてきて、その砲弾の欠片が貫通したと言っています。

ーー傷は貫通している?

豊島:
お尻の方まで貫通していましたが、御本人の意識はありました。驚いたのは砲撃直後で興奮しているのか、痛がっていなかったことです。

ーー痛々しいですね。子供も運ばれている・・・

豊島:
砲撃を受けないように地下で暮らしている子どもたちが本当に多くてですね、ベッドをダンボールで作ったりして。この天井の上には砲弾が刺さっている状態です。ろうそくの煤で空気の悪い、真っ暗な中で生活しているのを見ました。

ーー今回のマリウポリの製鉄所の下にもこういうシェルターが?

豊島:
同じような状況だと思います。

ーー2014年からこの8年間、戦闘が止まっていなかったってことですね。

豊島:
8年前から戦闘は続いていますし、全く同じ光景が今に至るまで続いています。
今回、大規模な侵攻で世界中の目が集まり、ようやくウクライナで何が起きているか、世界が認識したと思うんです。でも実はウクライナ東部では2014年にウクライナとロシアの戦闘が始まり、この8年間ずっと戦闘が続いていて、ウクライナと親ロシア派側の双方ですでに1万4000人を超える人が亡くなっているんです。戦闘がずっと続いてきたわけですが、今思うのは、この8年の間のどこかの段階で戦闘を止められなかったのかと。例えばミンスク停戦合意というのがありました。

ーー 一旦、合意しましたね。

豊島:
2015年、ドイツとフランスが仲介し、ロシア、ウクライナの4か国で停戦合意をしました。この枠組みにはプーチン大統領と一番話せるドイツのメルケル元首相も入っていましたが、この間大統領だったウクライナのポロシェンコ大統領はゼレンスキー大統領の2人は、話し合いと具体的な合意内容を進められなかったんですね。