被爆80年に向けた「長崎原爆資料館」の展示内容更新をめぐり、日本の加害の歴史についても展示するよう、23日、市民団体が資料館に申し入れました。

申し入れたのは被爆者や市民など21団体で結成された「世界に伝わる原爆展示を求める長崎市民の会」です。

原爆資料館の展示内容を議論する審議会では「南京大虐殺」の表記削除を求める意見が上がっています。
これについて市民団体は、世界の人々や若い世代に核兵器廃絶の訴えを理解してもらうためには、原爆投下に至った負の歴史を直視した展示が不可欠だと訴えました。

長崎県平和運動センター 米村豊議長:
「原爆の被害を訴えるだけでは長崎の願いを世界に伝えることはできない。日本のアジアに対する侵略の歴史も目をふさがず『南京大虐殺』などの史実を改変しない。建設的な議論を行っていただきたいと思います」

長崎原爆資料館 井上琢治館長:
「原爆資料館の運営審議会でも報告させていただいた上で、委員の皆様のご意見を伺いながら、慎重に検討してまいりたい」
原爆資料館の展示を巡っては24日、審議会の小委員会が開かれ「歴史認識」について議論される予定です。