高校受験や自動車免許の更新で購入された方も多いのではないでしょうか。「県証紙」の呼び名で知られる岡山県の収入証紙が今月(9月)で廃止されます。

キャッシュレス化の普及で60年に及ぶ役割に幕を下ろします。岡山県庁の外観が描かれた岡山県の収入証紙です。県証紙は現金による納付事務の煩わしさを無くすため1964年に導入されました。額面は1円から1万円までの14種類です。県立高校の受験手数料や自動車免許の更新手数料の申請などで60年にわたり現金の代わりとして使われてきました。しかし、国が進める行政手続きのDX=デジタルトランスフォーメーションやキャッシュレス決済の拡大を受けて、今年2月の岡山県議会で廃止の条例案が可決され今月(9月)末での制度廃止が決定しました。

(「収入証紙」売りさばき人 甲玉堂 本谷伸一郎会長)「なんでなくなるのか聞いてない」

廃止決定によって手数料や印刷代が削減される一方で、指定を受けて証紙を販売している「売りさばき人」は寂しさを語りました。

(売りさばき人 甲玉堂 本谷伸一郎会長)「企業から、なんぼからなんぼまで何枚づつくださいと依頼を受けるわけです。私どもとしては続けてやっていって欲しい」

来月(10月)以降、県証紙の使用はできませんが、未使用分は5年間岡山県庁で換金できるということです。

【スタジオ】
ー岡山県の収入証紙の制度が9月末で廃止となりますが、では廃止となった後の手続きはどうなるのか。
10月1日からの手数料の方法は
(1)クレジットカードなどでオンラインで納付
(2)現金・電子マネーなどで窓口で納付
(3)納付書で振り込む
などに変更されます。また、岡山県によりますと、パスポートの申請や高校受験の願書提出はオンラインなどで、運転免許証の更新は窓口での現金やクレジットカードでも支払えるということです。