仕事の傍ら競技にも打ち込み、2019年には日本代表としてフランスで行われた世界選手権に出場。なんと世界4位になったのです。

(青木宏美さん)
「(Q.青木さんはなぜ壁を登る?)かっこよくいたいというか、自分の人生の中で、何でもない、ただ生活していくだけよりも“特別な何か”があって、そういうものがある方がいいなと思うから登り続けている」

今は多くの人にパラクライミングを知ってもらおうと、体験イベントも主催しています。サイトガイドの小島さんもスタッフの一人。

(初挑戦の大学生)
「これ?怖っ!11時。右!それ」
(クライミング経験者)
「その上。それOK!右!ナイス!ゴール。ナイス~」

(参加者)
「楽しかった」
「サイトガイドをしてもらった時に(アイマスクで)見えていないけど、目の前の景色が見えたから本当に来てよかった」
(視覚障害者)
「障害のある方だけじゃなくて、健常者もアイマスクをして見えないという体験をすることで、わかってもらえる部分もあると思うし、そういう意味ではいいイベントだと思う」

『障害のある人には、自分の可能性を』『ない人にも、このスポーツの奥深さを知って欲しい』そんな思いもあります。

そして、7月30日。

(青木宏美さん)
「(Q.ユニフォームを手に取ってみてどう?)何回か(世界大会には)出ているけど、やっぱりうれしい。凛とした感じ。日の丸を背負っているなと思う」

この日は世界選手権前、最後の練習です。代表のユニフォームを着て、気合いも十分。

(青木宏美さん)
「登り切れた時の達成感が楽しいから、人生もそうありたいと思うし、見えなくても楽しいことがいっぱいあると思う」

目標は初のメダル獲得。世界という高い壁に挑みました。

迎えた8月8日。スイスで行われた世界大会では、「B1」「B2」の統合クラスで13人中7位で決勝進出とはなりませんでした。悔しい結果になりましたが、青木さんは「次の大会ではメダルが取れるように頑張っていく」と前向きに話していました。