 
神社手前の民家が立ち並ぶエリアに入りました。
頭取 唯杉幸正 さん
「待て、待て。電線があるね。帆を下ろせ」
唯杉さんが長いさおを使い、電線を押し上げます。その間に御座船は帆と呼ばれる部分を縮めながら通過します。

昔の川根地区は、管絃祭の日になると、出店や炊き出しなどが並び、たくさんの人でにぎわっていたそうです。この日、見物する人は十数人ほどでした。
見物客たち
「がんばって」
「船がすごくきれい。自分もやりたいけど、体が思うようにならない」
― 御座船を見たことがある?
「ない。やってみたい」

午後10時半、御座船は神社に無事、到着。神社の鳥居をくぐりました。

亀崎さんもひと安心です。

川根管絃祭 元頭取 亀崎良隆 さん(74)
「ちょっと片側が重かったのかな。船が傾いたところがあるし。川根地区の若いもんが集まってやったのはええと思います。ほとんど、みんな(管絃祭の進行を)覚えとってと思うが、(次回も)顔だけは出さないといかんと思うとる」

ここからが管絃祭、最大の見せ場です。御座船を台車から下ろし、若連中たちが担ぎます。

向かったのは、神社の階段です。階段を上り切り、巨大な御座船を奉納します。

御幣を戻し、神事を行います。

川根管絃祭 頭取 唯杉幸正 さん
「無事に終わってよかった、4年ぶりに。何年も待っていたので、できてよかった。この日は『船を奉納する日』だっていう感覚ですかね。特別なものではないですね。絶やさず続けていくことです。それだけです」

管絃祭の最後は、御座船を3回転させます。川根地区の若連中は、地域の五穀豊穣・無病息災を祈る神事としてこの管絃祭を続けていきます。
◇ ◇ ◇
小林康秀 キャスター
みなさん、力いっぱい、御座船を運んでいましたけれども、御座船には設計図がないわけですよね。頭の中に設計図があるってことは毎年、祭りを続けていきながら作り続けていくことが大事なんだなと思いました。

中根夕希 キャスター
管絃祭という名前なんですけども、実は神事なんです。この神事、男性の力仕事に見えたかもしれませんが、戦時中は男性がいなかったため、女性だけで行うということもあったようです。それだけ長い歴史のある行事、ぜひ長く続けてほしいと思いました。
 中国放送
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