戦時中、兵士たちが戦場からふるさとの家族に送った軍事郵便の展示が、岩手県釜石市で行われています。

78年目の終戦の日を迎えた15日、釜石市に平和の願いを込めたサイレンの音が響きました。
日中戦争から太平洋戦争にかけて釜石市からも多くの男性が「万歳」の声に送られ戦地に赴きました。
釜石市立郷土資料館では戦地の兵士がふるさと釜石に宛てて送った手紙やハガキが展示されています。中国の戦地で病気になった兵士の便りには家族に心配しないようにとの気遣いが綴られています。

(手紙)
“大なる事なら便りどころか休む訳です。少々なのでタイクツまぎれに書いた訳ですから心配なんか無用です”

便りはすべて検閲され、部隊のことや反戦的な内容は削除されるため当たり障りのないことしか書くことができませんでした。
それでも戦地からの便りはふるさとの家族に無事を知らせるただ一つの手段でした。
手紙やハガキの文面からは残してきた家族を思う気持ちがひしひしと伝わってきます。
展示「戦時下の便り―釜石想う軍事郵便―」は9月4日まで開かれています。