夜間の当直者役は、各部屋を回って逃げ遅れがないか確認し、入居者をエレベーターで上の階に避難させます。

そして水害を教訓として、より円滑な避難を目指し、これまで別々に行っていたケアハウスとグループホームとの避難訓練を合同で行うようにしました。身体の不自由な高齢者を避難させる際の連携などを重視しています。訓練は職員のためだけではなく、入居者自身の備えにもつながります。

【入居者】
「準備しておけば、常に頭にあるからね」

荒川に隣接する高齢者施設。水害を経たことで、より一層、防災への意識が強くなったと加藤施設長は話します。

【加藤貴人さん】
「川の様子を見た時に本当にゾッとする、一言で言うとゾッとするというような、今まで見たことない水位でですね。どのように避難を効率的にしたらいいかということは、この川の近くに施設を構える当法人の課題だと思っています」

加藤施設長は今後、村と高齢者施設などの関係者でつくる地域ケア会議で課題を共有し、避難に必要な車の手配や避難先の確保など、関係機関と連携を強化していきたいとしています。過酷な避難を経験したからこそ、他の地域のモデルとなるような取り組みが期待されます。