新潟県北部を襲った豪雨から1年。この豪雨では高齢者施設が水に浸かり、入居者らは過酷な避難を余儀なくされました。災害時の大きな課題のひとつ「高齢者施設の避難」について、“豪雨の教訓”を生かそうと高齢者施設の取り組みを取材しました。

「無理やり連れて行かないと…命の方が大事」水に浸かった施設からの避難

関川村にある高齢者施設「ケアハウスせきかわ」です。昼食前の食堂では、入居者が体操をするなど、いつもの日常がありました。
しかし一年前、施設は全く違う状況でした。

大雨によって「ケアハウスせきかわ」の周辺では“内水氾濫”が起きました。2022年8月4日午前1時半ごろ、ケアハウスせきかわと隣りのグループホームに濁流が流れ込んできたのです。当時、ケアハウスの1階では入居者6人が就寝していました。

【職員】
「みなさん鍵かけて寝てるので、鍵を開けて起こして『2階に誘導してください』とお願いした」

平屋建てのグループホームには当時、9人の入所者がいて、自力で避難できない高齢者もいました。

【職員】
「水がただ溜まっていたわけではなく、川みたいに流れがあって『怖い』と言った利用者もいました。それでも無理やり連れて行かないと…命の方が大事なので」