麻生副総裁のリップサービス?

ホラン千秋キャスター:
麻生副総裁の発言というのは、度々注目されてきましたが、今回の発言というのは、日本政府としても、自民党としても容認されているものなんですか?

星浩 TBSスペシャルコメンテーター:
今までの政府、自民党の枠を超えている発言だと思いますね。そういう点では軽率な発言だと思います。なぜかというと、日本と台湾とは、外交関係はありませんし、自衛隊は基本的に日本を守るためのもの。安保法制で、アメリカの後方支援ぐらいはできるし、場合によっては第三国反撃も一部はできるんですけど、台湾を守るっていうミッションはないんですね、自衛隊には。訓練もしてませんし、そういう意思もない。“覚悟”だけ持てって言われても困りますよね。

井上貴博キャスター:
“戦う”っていう言葉がとても強くて、あおるリスクがあるとは思うんですけど、その一方で、元をただすと、力による現状変更をしようとしてる中国が問題であって、やるときはやるんだぞというメッセージを発することが抑止力になると考える。でも、それを政府の人間が言うことはできないので、麻生さんが役割分担でしたという考え方での発言ではないんですか?

星浩 TBSスペシャルコメンテーター:
「台湾海峡の平和と安定が重要だ」っていう発言であれば、抑止力としては穏当の発言だと思うんですけど、「戦う」っていうのは、今の自衛隊のルールにないんですよね。だから、できもしないことを言って、相手に過剰な期待を持たせるのは、外交上あまりいいことじゃないと思います。

ホランキャスター:
期待を持たせるのが、麻生さんの真意だったんですか?

星浩 TBSスペシャルコメンテーター:
おそらく台湾の方は、そういう事情も十分知っていますので、麻生さんがちょっとリップサービスしてるなと、冷静に受け止めてるというふうに私は聞いてますけどね。