順天堂大学の医学部を不合格となった男性が「浪人を理由に差別された」と訴えた裁判で、判決が言い渡されました。「ブラックボックスに光をあてたい」。男性が自身の思いを表現したのは、ヒップホップの動画でした。
「目指してみようか、医学の道 それは茨の道」
ヘッドホンを付けた男性が机に向かい、勉強するシーンから始まる「Sai no Kawara」。動画の再生回数は、130万回を超えています。
長年、音楽活動に打ち込んできたcrystal-zさん(38)。32歳、二浪で挑んだ医学部入試で「年齢」を理由に差別された実体験をラップに込めました。
「模試の結果はいつも、A判定 でも合格発表では『え、なんで?』年齢のハンデ?夢にさえ思わねー ゴールテープごとずらされるなんて」
歌詞や映像には、たくさんの「隠されたメッセージ」が散りばめられています。サビでは…
「順調じゃなくていいから 天才じゃなくていいから 堂々巡り、巡り 繰り返し 東京 偉大なこの街」
浮かび上がるのは「順天堂」。2018年、crystal-zさんは順天堂大を受験するも「不合格」で、最終的に合格した地方にある大学の医学部に進学しました。その後、複数の大学で合否判定で女性や浪人生を不利に扱っていたことが明らかになり、順天堂大から「実際は合格点に達していた」と連絡を受けたのです。
原告 crystal-zさん
「誰もが公平に結果が出て、フェアに判定されるのが大前提だと思っていたから、そうじゃなかったことにとても驚いたし怒りを覚えました」
crystal-zさんが大学側に賠償を求めていた裁判で、東京地裁は「入試の募集要項には年齢や浪人年数を合否判定に考慮する旨の記載はなかった」「年齢を理由に不合格としたのは違法だ」として、大学側におよそ180万円の賠償を命じました。順天堂大は「コメントは差し控える」としています。
原告 crystal-zさん
「ブラックボックスだった入試のシステムに、少しでも光を当てられるのは自分しかいないという状況だった。同じ被害にあった女性の方で、私たちは人の心の痛みが分かる医者になりましょうとコメントをもらった」
医学部6年生、そして父親になったcrystal-zさん。来年春からは、大学生活を送るはずだった東京に戻り、研修医としての一歩を踏み出す予定です。
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