スイカは出荷の最盛期を迎えていますが、長野県松本市で、2人の若者が開く農園では、ちょっと変わった品種スイカが栽培されています。

東の空が白み始めた午前5時前、松本市波田(はた)で特産のスイカの収穫が始まりました。

良質な火山灰土壌と松本平特有の寒暖の差が育むスイカは甘みが強く、食感が良いのが特徴です。

スイカ農家・中野聡一(なかのそういち)さん:
「5月ぐらいにも寒いときがありましたし、ちょっと心配したんですけども、よく育ってくれてますね。」

中野聡一さんは、脱サラして、祖父が始めたスイカ農家を継ぎました。

ひと夏に育てるスイカはおよそ3000玉。

手塩にかけて育てた一玉一玉を丁寧に収穫していきます。

「朝収穫した方が美味しいような気がしますね。日中、日が当たって来るとやっぱ果肉が温かくなっちゃってて、なんか疲れてる状態で収穫するのかなって思うと、朝一番の元気なときにとってあげた方がいいような気がします。」

そこに一人の男性がやってきました。

挨拶もそこそこ、おもむろにスマホで収穫の様子を撮影しだしました。

(中野さん)「羅皇ザスイートですね」
(大西さん)「食味も違う?」
(中野さん)「シャリ感が強いですね」

大西祐次郎(おおにし・ゆうじろう)さんは、松本市内に住むユーチューバーです。

大西祐次郎さん:
「僕が広告関係の仕事をしていて、中野さんから仕事の相談を受けたんですよね。スイカをもうちょっと広めたい、売り出したいと」

それまで直売所を中心に販売していた中野さんが販路拡大へ助けを求めたのが大西さんでした。

ビジネスパートナーとして意気投合した2人がスイカ農家の仕事ぶりをユーチューブで配信すると、再生回数は50万回近くに上りました。

栽培担当の中野さんとPR、ネット販売担当の大西さん、というように役割分担することで、全国からも注文が舞い込むようになりました。

大西祐次郎さん:
「そーゆー農園です。(どういう農園なんですか?)彼が聡一くんで、そーちゃんって呼ばれてまして、僕が祐次郎で、ゆーちゃんって呼ばれてるので、『そーゆー農園』に」

そーゆーことで始まった2人の農園は2023年、珍しい品種のスイカ栽培に挑戦しています。

「(これはなんて品種?)金色羅皇(こんじきらおう)ですね果肉が黄色いんですよね。」

「金色羅皇」、全国で作付けが始まったのが3年前とまだ若い品種ですが一体、どんなスイカなのでしょうか?