「今のうちに伝えないと」被爆者が写真を提供

「被爆前の日常アーカイブ」は、RECNAが国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館から委託を受け制作しているインターネット上のサービスです。

写真を通して被爆の実相を伝えるのが目的で、被爆者やその家族から6千枚以上が寄せられました。

写真を提供した一人、長崎市江戸町で商店を営む被爆者の三瀬清一朗さん(88)は、10歳の時、爆心地から3.6キロの矢の平地区で被爆しました。

三瀬 清一朗さん:
(写真を見ながら)「これ右側はね私の妹。で、これが今の万橋ですね。」

当時カメラは高級品で、今ほど普及していなかったため、日常を収めた写真は貴重です。

林田さんと三瀬さんは、三瀬さんの母と妹が写真に写っていた万橋を訪れました。

三瀬 清一朗さん:
「さっきの写真が、ちょうどこの辺りで。この辺でしょう」

自身の被爆体験を積極的に語り伝えている三瀬さんは「被爆前の日常アーカイブ」を活用することで、当時の出来事をより鮮明にイメージしてもらえると考えています。

三瀬 清一朗さん:
「やっぱり今のうちに話を、伝えとかないといけないね、というのは自分で分かりますよ。今もお見せした写真。これやっぱ大きな材料ですよね。
今の人たちに、私が今からそれこそ70年前とか80年前の話をしてもね、イメージが全然湧かないですもん」

林田さん:
「三瀬さんのように当時の事を鮮明に覚えておられて、何より具体的なエピソードをたくさん覚えておられて、それを写真とともに今回残せたっていうのはすごい良かった」