こうした中、県警が6月から始めた新たな取り組みがあります。
それは子どもの頃によく言われていた“あるマナー”の実践です。
■大人になると手を上げなくなる横断歩道

西条市・玉井敏久市長
右見て左見てもう1回右見て…OK!手を上げよう!
西条市の玉井市長から横断歩道の渡り方を教えてもらう園児たち。
6月2日、県警が西条市と協力して開いたイベントの一コマです。
実はこのイベント、子どもたちが交通安全を学ぶだけではありません。
西条警察署 村上智二署長
小学生の時には横断歩道を渡るときには手を上げましょうと教えてもらってそうしていたんですけど、大人になると上げている人は少ないように思います
県警が6月から始めた「大人も手を上げよう」運動を広く知ってもらう目的があるんです。
■“ドライバー”から“歩行者”目線の対策へ

今年に入っても5月末から6月にかけ、同様の事故が相次いで起きています。
県警はこれまで横断歩道付近で取り締まりをするなどドライバー対して注意を促してきましたが、今回は歩行者側から事故防止を図ります。
愛媛県警交通企画課 紅谷広和警部
歩行者がちょっとでも手を上げる、手のひらを見せる、横断旗を使うということをしてもらって、横断意志を車に対して示すっていうのが趣旨になっています

横断歩道で「手を上げる」行為。
県警は事故防止に一定の効果を見込んでいます。
5月、県警が県内17カ所の信号機のない横断歩道で行った調査によると、歩行者が手を上げずに横断しようとした場合、停止した車の割合は全体の43.9%。しかし手を上げた場合は72.0%まで上昇しています。
つまりドライバーに「渡る意思」を示すことが重要だとわかります。

■“恥ずかしさ”捨てて手のひら見せて
一方で横断歩道で手を上げることに、大人たちの反応は…
通行人
「恥ずかしいという面もあるし、ほとんどしてない人の方が多いと思う」
「子どもとか孫とかを連れていたらやはり上げようねとかはしますけど」
県警は少しの時間でも手を上げることや手のひらを見せることも効果的だといいます。
愛媛県警交通企画課 紅谷広和警部
子どもは背が小さいので自分の存在をアピールするということもあって手を上げてもらっている。大人が手を上げるのは横断意志を示して安全に横断するというところの違いがあります
「横断歩道を渡るときは大人も子どもも手を上げる」
交通事故を無くすために早速心がけてみませんか?