人気の返礼品と寄附額トップの自治体ランキングは?

多くの寄付を集める自治体には、やはり目玉となる返礼品があります。2022年度、最も多くの寄附を集めたのは、宮崎県都城市。地鶏や宮崎牛が人気で、195億円を集めました。2位から4位は北海道。それぞれ人気の返礼品は、紋別市がホタテ、根室市がイクラ、白糠町(しらぬかちょう)がサーモンです。そして5位に入ったのが、かつて1位を取って話題となった大阪の泉佐野市。当時、金券を贈る手法が物議をかもしましたが、現在の返礼品1位は牛ハラミです。

気になる寄附額の使途は…

こうした巨額の寄附が自治体にとってどれぐらい大きいものなのか。例えば4位の白糠町(しらぬかちょう)。人口およそ7000人の町で、町民税など本来の税収は10億円程ですが、そこに150億円近い追加の収入が入っているわけです。その使い道も気になりますが、出産応援給付金5万円の支給や、18歳までの医療費・保育料・学校給食費の無償化などを実現したといいます。

広がる都市部の住民税の流出

このように「ふるさと納税」の恩恵を受ける自治体がある一方で、税金の流出に悩むのが都市部の自治体です。2023年度の流出額のランキング。このうち横浜市、名古屋市、大阪市は、地方交付税の交付対象であるため、「ふるさと納税」で流出した税収の75%は国から補填されます。しかし、川崎市と東京・世田谷区は、これまで独自の税収で財政運営できると判断されていて地方交付税の交付対象となっていないため、流出分はそのまま減収となるのです。