ホランキャスター 富士登山の経験談「下山する判断も時には必要」

では実際に富士登山をした人の経験談を紹介します。
ホランさんが10年前に登山したときは突然の悪天候だったということですが?

ホラン千秋キャスター:
山の天気は変わりやすいと聞いてはいたんですけれども、登るときはそんなに天気悪くなかったので大丈夫だろうと思って登り始めたんですよね。夕方ぐらいに山小屋に到着して一泊して、日付が変わったら暗いうちからご来光を目指して登りましょうということだったんですけれども、夜の段階でものすごい雨風だったんですよ。なので、思い切って下山する判断も時には必要ですし、下山も覚悟しながらの準備が必要だなって思いました。

上村キャスター:
私が登ったのは2022年7月ですが、中に厚手のフリースを着ても本当に寒くて、早くご来光登ってくれと、ずっと寒さに耐えていました。なので、あんなに軽装で登っているのは信じられないんですが、私が遭遇したのは、山小屋に来た弾丸登山者の方で予約をしていなかったみたいなんですが「飛び込みで泊まれますか?」と来て、山小屋に空きはあったんですけれども1人泊めてしまうと大変なことになってしまうので、「残念ながら泊められません」ということを言っていました。

8.5合目の山小屋だったので、あの人たちはどういうふうに夜を過ごしたのかなとも心配になりました。水本さんは「山小屋は基本的には完全予約制。飛び込みの人は天気が急変しても入れるとは限らない」。だからこそ事前に宿泊できる山小屋を確保して、しっかりと体調も整えて登ってほしいと言っていました。

スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ京さん:
本当に準備ですよね。例えばヨーロッパの観光客で「山は慣れている」って言っても、“山を見る”のが慣れている方と“山登り”が慣れている方とは全く違って、山登りに慣れている方は何を準備しなきゃいけないかわかってますよね。でも、見てるだけの方だといざというときに準備ができてないっていう心配はありますよね。

富士登山 ルール作りが必要?

井上貴博キャスター:
人数制限はもちろん、軽装の人は登れなくするとか、完全予約制で入山料を引き上げるとか、「富士山モデル」を作ってもいい頃合なんでしょうね。

上村キャスター:
登山者が増えているということで、マナー違反も目立っています。写真を見ると、登山道に捨てられた食べ物のゴミ、ビニール袋、ペットボトルなどありますが、登るときに使っていたであろうリュックサックや防寒着、雨具なども捨てられています。これを片付けるのは山小屋の人やガイドボランティアの人たちで、時間とお金をかけてやらなければなりません。

富士宮口ガイド組合 水本俊輔組合長
「私たちに弾丸登山を止める権限はなく、事故防止のため啓発を続けるしかない。弾丸登山、そろそろやめませんか?

井上キャスター:
結局、軽装の方が登ってけがをしても助けるのはガイドの皆さん、関係者の皆さんですので、やはり富士山に入る上でのルール作りをもう少しハードルを上げるべきじゃないかなと思いますね。もちろん信仰の対象でもあったので、どなたでも受け入れることは続けたいんだろうと思うんですけど、富士山を守るためにも分岐点に来ているのかもしれません。