日銀がいまの大規模緩和策を修正したことを受け、長期金利は0.655%まで上昇し、およそ9年7か月ぶりの高い水準となりました。

きょうの債券市場で、長期金利の代表的な指標である10年物国債の利回りは0.655%まで上昇し、2014年1月以来、およそ9年7か月ぶりの高い水準となりました。

先週、日銀が大規模緩和を修正し、これまで0.5%程度としてきた長期金利の上限について市場の動向に応じて1%まで容認することを決めたため、日本国債を売る動きが広がりました。

ただ、午後に入ると日銀が臨時の国債買い入れを行い、長期金利の上昇を抑え込んだため、その後、0.635%まで低下しました。

長期金利はきのうも0.625%をつけるなど、上昇傾向が続いていて、今後も上昇が続けば、長期金利を基準とする住宅ローンの固定金利も上がる可能性があります。

一方、東京外国為替市場で円相場は一時、143円88銭をつけ、およそ1か月ぶりの円安水準となりました。

アメリカ国債が格下げされたことで、アメリカの長期金利が上昇する一方、市場では、日銀が日本の長期金利の上昇を抑え込むとの観測から金利の高いドルで資金を運用しようと円売り・ドル買いの動きが強まりました。

政府・日銀は去年9月、1ドル=145円台を突破した際に円買い・ドル売りの介入に踏み切っていて、市場では介入への警戒感が徐々に高まっています。