2日もうだるような暑さとなった長崎県内。

日中の最高気温は──
南島原市の口之津で37.2度
佐世保で36.4度
島原で35.9度など、県内7か所で35℃以上となり、2日連続で猛暑日となったところもありました。

県内では2日、17件の熱中症の救急搬送があり、このうち7件が中等症となっています。

7月の熱中症による救急搬送の件数は長崎県の速報値で343件でした。
各消防局ごとに内訳を見てみると──
佐世保が88件
長崎が81件
諫早・大村などの県央が69件
島原が34件などとなっています。

比較的、気温が高くなりやすいイメージの島原や南島原ですが『熱中症の救急搬送』件数で見ると、ほかのエリアと比べ、さほど多くありません。

こうしたデータを踏まえ「熱中症の発生には地域特性があるのではないか」と推察した県の環境保健研究センターが2日、考察結果を発表しました。

島原の人は暑さに強いのか?

こうした中、暑さと熱中症との関係を調査していた長崎県環境保健研究センターは2日、ある結果を発表しました。

長崎県環境保健研究センター横田哲朗主任研究員:
「島原地区というのは、県内でもダントツで(31以上のWBGT“暑さ指数”の出現)頻度が高い。要するに“暑い地域”であることが分かりました。
島原地区の救急搬送者数も多いのかなと思っていたのですが、救急搬送者数というのはそこまで飛びぬけて多くない」

調査では県内を7地区に分け、熱中症の発生指標となる『暑さ指数』と、熱中症による『救急搬送者数』の割合を比較したところ、暑さ指数が高い水準の島原地区ではそれほど、搬送者数は多くないことが分かりました。

このため、センターでは『島原の人たちが暑さに対する耐性があるのではないか』と考察しています。

島原市の人はこの考察について…

市民:

「どうでしょうね。なんとも」

「うん、そうじゃろうだろだな。だっでん熱中症ならんで、けっこう働いちょらすばい。うん。そいけん、おいどん年寄りなってん、こがんしよって、なんごとなかったな」

「水が湧いてるので、結構こまめに(水分)取られていると(思う)」

「いやー僕は弱い弱い。出られない。ここまで出てくるのが精いっぱい」

一方、島原地区の人が実際に救急搬送された場合は『他の地区よりも重い症状で搬送されるケースが多い』ということです。

長崎県環境保健研究センター 横田 哲朗主任研究員:
「昔と暑さが違うということもありますし、高齢の方は特に“島原地区は暑い”と認識していただいて、症状が重くならないうちに対策をしていただく必要があるのかなと思います」

気象庁と環境省は、明日(3日)も県内に熱中症警戒アラートを発表しており、引き続き、暑さ対策が重要です。