間近に迫っている福島第一原発の処理水の放出。放出ありきで補償の説明などを進める国側の対応に、漁業者の反発は消えていません。また、補償そのものについても本当に漁業者のことを考えているのか疑問の声が聞かれます。

風評被害は始まっている

宮城県石巻市の漁師、遠藤仁志さん。この日は、今シーズン最後のホヤの水揚げ。輸出先のアメリカを含め今年分の出荷は無事終えることができそうだと言います。

一方、ホタテについては異変が起きていました。

漁師 遠藤仁志さん:
「業者さんのほうから香港に何ケース出してって連絡が来るんですけど、去年の段階で、もうアウトになってる」

香港への輸出のストップ。理由は、事故を起こした東京電力福島第一原発事故の処理水の海洋放出。放出が始まる前から「風評被害」は始まっていると遠藤さんは訴えます。

遠藤仁志さん:
「もう去年の段階、去年の暮れの段階で完全に風評(被害)になっているってことなんです」

こうした中、先週末、宮城県内入りした西村経済産業大臣は、放出前の風評被害を含め支援を行う考えを示しました。