渡り鳥とともに移動してきた!
渡り鳥の「オオジシギ」です。この鳥は、オセアニアから日本に飛来してくることで知られています。

東北大学大学院生命科学研究科 田谷昌仁さん:
「この辺、胸のあたりの羽の根元に埋もれるようにして」

もともとは、千葉県の「我孫子市鳥の博物館」の学芸員が「オオジシギ」の胸に埋もれていた巻貝を発見したのが研究のきっかけです。わずか6ミリの巻貝は渡り鳥とともに4000キロ以上を移動したのです。

東北大学大学院生命科学研究科 田谷昌仁さん:
「今回の報告は、移動性の低い動物が、鳥の体に付着して、鳥が飛ぶことによって、ほかの地域に運ばれるということが実際に起こることを示したのが、重要なポイントです」
渡り鳥に付着しての移動は以前から推測されていましたが、それを裏付けた今回の発見は世界的にも貴重で、研究結果は7月、生態学の専門誌で発表されました。

東北大学大学院生命科学研究科 田谷昌仁さん:
「実際に鳥が(動物を)運ぶという影響があるんだということを示したのは、今後コンピュータでシミュレーションをして、どうやって多様性ができていくのかを解明する時に1つの検討材料になると思っています」
巻貝は死んだ状態でしたが、生きた状態で見つかっていれば更に世界的な発見だったということです。非常に珍しい現象ですが、生物がどのようにして世界中に広がり生態系が変化していったのかを探る重要な手がかりになると期待されています。