島の「生と死」に向き合う 看護師の「うたさん」
瀬戸内海に浮かぶ、香川県土庄町の豊島(てしま)。かつて住民一丸で産業廃棄物の不法投棄問題と戦い、今では瀬戸内国際芸術祭で「アートの島」としても知られるこの島に、命を支える診療所があります。

人口減少、過疎高齢化が進む島で、日々島の高齢者たちの「生と死」に向き合う看護師・小澤詠子さん、通称「うたさん」に密着しました。
最初の取材から8年 多くの人が豊島を、この世を去った

あれから8年。亡くなった大工の棟梁・敏喜代さんが建てた診療所は使われなくなり、隣の新たな公民館に移りました。
8年前、番組に出て下さった方たちの名前一覧を、看護師の小澤さんに見てもらいました。

(小澤さん)
「サツ子さんもお亡くなりになりました。サツ子さんはその後高松の施設に入って、去年お亡くなりになりました」

「ヤチヨさんはお亡くなりになりました」

「勲さんはお亡くなりになりました」

「國方敏さんは施設に入りました」

「良吉さんは、すごく立派な最期をお家で遂げられました。最後は本当に苦しまなかったですよね、高田良吉さん。『あ、先生』とか言ってね」

「寂しい。診療中に背後に『砂時計』を感じながら、今会話してるみたいな感じはありますよね」
