岩手県警は2日、東日本大震災で被災し行方が分からなくなっていた岩手県在住者3人の身元が判明したと発表しました。
身元が判明したのは、陸前高田市気仙町の山田ヨシ子さん(当時83歳)、大槌町小鎚の佐野キネさん(当時84歳)、山田町長崎の木下健さん(当時74歳)の3人です。3人はいずれも自宅や自宅付近で被災したとみられていて、2011年3月から8月にかけて遺体の一部が見つかりました。岩手県警が親族のDNAと照合する「ミトコンドリアDNA型鑑定」などを行い、今年に入って身元が判明しました。遺体は1日までにそれぞれの遺族のもとへ引き渡されました。岩手県内ではこれまでに、東日本大震災で亡くなった人のものとみられる遺体の一部が140体見つかっていますが、そのうち49体は身元が分かっていません。県警は「これまで収集した情報と鑑定技術を駆使して、遺体を全ての家族に返せるよう活動を推進していく」としています。
佐野キネさんの娘のコメント
「見つかって嬉しいです」
木下健さんの妹・木下英子さんのコメント
「12年も経って、まさか帰ってくるは思っていなかったので、本当に嬉しく思っています。まだ家族が見つからずに苦労なされている方々も、希望を持てるのではないかと思います。継続して活動してもらっていた警察の方々には本当に感謝の気持ちでいっぱいです」