2度目の世界陸上をどう走るか?
――昨年のダイヤモンドリーグ2試合は先頭集団で走りました。今回のパリ大会は先頭が世界記録ペースだったこともあって、後方から追い上げる形になった。
三浦:何人かの選手が世界記録ペースに便乗してハイペースで走っていく中で、自分は冷静に判断して、最後まで行けるペースで走ることができたと思います。僕の中ではベストな走りをしたと思っていますし、来年のパリ五輪を見据えた上でもいい経験になったと思っています。
――昨年の世界陸上オレゴンは、思い切りを持てなかったことも予選敗退の一因と話していました。パリの結果で、その部分は解消されそうですか。
三浦:そうですね。ここで攻めたいな、というところで出られる実力と、自信をつけられる内容だったと思います。世界陸上では、まずは自信を持って自分の走りをしていきたいと思いますし、そこにダイヤモンドリーグでやったみたいな冷静な判断も加えて、確実に予選を突破していきたい。
――パリ大会ではギルマ選手以外にも、東京五輪銅メダルのベンジャミン・キゲン(30、ケニア)選手がいました。
三浦:特にマークはしませんでした。前日くらいにギルマ選手が世界記録を狙うという情報が流れてきたので、速い展開になることは認識していましたが、キゲン選手がどう走るか、とかは意識しませんでした。
――世界陸上の決勝では、周囲の選手たちの戦績や持ち記録を、どう意識して走りますか。
三浦:レースプランから先に考えると思います。世界陸上では上位争いをしたいし、メダルも取りたい。勝負を狙いに行く、順位を取りに行くために、自分が最大限の力を発揮するにはどう走るべきか。そこを判断するのに、他の選手たちの力も考えないわけではないのですが、一部の選手のことを意識しすぎることはありません。必要以上に考えずに、全体的なイメージで考える感じでブダペストは走るつもりです。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)