一緒の教室にいられない!こどもも悩む「香害」
さらに、香害は大人だけでなく子どもも悩まされています。教室内にいるクラスメイトの服についた匂いや、教室内の建材に含まれる化学物質による香害に、保護者を巻き込んで対策を講じています。
「カナリア・ネットワーク全国」の中丸さん
「やっぱり学校に行けない子ども、小学生も出ているんですね実際に。一緒に入れないからって教室を分けているようなお子さんとかよく記事にもなりますけれど、あれでは解決にはならないですよね。その子は隔離されたいわけではないので。学校の環境自体がよくないということを変えてほしいなというのはすごく思います」
カナリア・ネットワーク全国では会員有志の保護者会と共に学校向けの要望書の雛形を作成しました。実際にその要望書を使って学校に要望を出せたという声も届いているそうで、保護者の方の背中を押すことができたとも教えてくれました。
ただ、結局のところ、当事者だけではなく、私たち一人一人が化学物質過敏症の人が香害に苦しんでいるということを認識する必要があります。佐藤さんは「単なる個人の香りの好みではなく、もはや公の害の方の“公害”に近いという意識をみなさんに持ってもらいたい」と話してくれました。
(担当:TBSラジオ「人権TODAY」担当・TBSラジオキャスター 加藤奈央)