■泳ぐ3人を「しっかり支えたい」それが役割
「去年の先輩に聞いたら、励ましの声掛けはもちろん、泳ぐペースを整えるために船の上でずっと笛を吹き続けなければいけないとか、休憩の時も栄養補給のゼリーや飲み物を船から渡すとか、やることがたくさんあるので気を抜けないですね」。マネージャーの朝比奈碧さん(静岡市出身)は遠泳の日、選手をサポートするために小型船に乗り込みます。「船酔いしないように酔い止めも買いました」と着々と支度に取り掛かっています。
この朝比奈さん、水泳の経験は小学生時代の約3年。中学時代は吹奏楽部でした。高校で水泳部のマネージャーになったのは水泳部副顧問の知念知実先生に勧誘されたのがきっかけでした。「見学に行きみんなが泳いでいる姿を見て『かっこいい!』と。それで入部しました。でも私は水泳の知識はほぼゼロで、仕事もできなくて…。一番難しかったのは、みんなが苦しそうという時。応援したいけれど『頑張れ!』でいいのか、そう言ったら選手はもっと苦しくなっちゃうのか。その心の変化が分からなくてただ応援するだけじゃダメなんだなって。毎日学ぶことばかりでした。同級生の仲間が『一緒に頑張ろう。インハイに行こう』と言ってくれて、それがあって今までやってこられました」
3年生になった2023年、朝比奈さんが支え続けてきた同級生の選手3人は8月のインターハイ出場を決めました。もちろん朝比奈さんも会場の北海道に行きます。その前に行われる12kmの遠泳をインターハイへの弾みにできるようにするのが朝比奈さんの役割です。「12kmですからみんな苦しいと思います。だからこそバラバラにならないように、ちゃんと3人でゴールできるように『あとちょっとだよ』とか声掛けをしっかりしていきたいです。ずっと支えられてきたので本当にしっかりと。インハイは3年全員で行けるというのもあるし、遠泳をきっかけにチームワークがもっと高まるんじゃないかと思います」














