極秘文書示す“有事”の沖縄

そのアメリカは台湾有事の際、最前線と想定される沖縄をどう見ているのか。それが読み取れる資料がある。

1958年に始まった第二次台湾海峡危機。台湾、金門島に激しい砲撃を繰り返す中国に対し、アメリカは沖縄からの核攻撃を検討していた。

当時の極秘文書が公開されている。元国防総省の職員がリークしたもので、米軍制服組トップの発言が残っていた。

「台湾と沖縄が核の報復に巻き込まれることは間違いない。しかし、その結果は受け入れなければならない」

基地問題に詳しい、沖縄国際大学の野添准教授は、こう憤る。

沖縄国際大学法学部 野添文彬 准教授
「非常に冷徹な発言だと思いました。結局、台湾も沖縄もアメリカからすると軍事的なコマなんだなと思わされます」

2023年1月に公開された、アメリカのシンクタンク、CSIS(戦略国際問題研究所)による
“台湾有事”のシミュレーションでも大前提として、作戦には「日本の基地が使用できなければならない」とあり、アメリカ軍と自衛隊の被害が想定されている。

▼シミュレーションでの被害想定(最大)
米軍 航空機:484機 艦船:17隻
自衛隊 航空機:161機 艦船:26隻

沖縄国際大学法学部 野添文彬 准教授
「最大の問題は、沖縄に住んでいる人々、民間人の被害や犠牲について、何らの考慮もされていないこと。中国からミサイルが沖縄などに何千発と発射されて攻撃されることは、受け入れなければならないと、(1958年の時と)同じように考えていると思います」

一方、台湾の最前線では…