損保ジャパン 不正の把握は?

井上貴博キャスター:
事故の状況、車の破損状態、あとは修理の見積もり、こういったことの妥当性をチェックする役割を担うのが保険会社です。そのチェックができていていたのかどうか、疑問が残ります。

損保ジャパンの件で、わかっていることをまとめていきます。

まず、ビッグモーター社内で「自分たちで車を壊して傷つけて保険金が不正に請求されている」「工場長から不正の指示があった」という内部告発があったのが2022年のことです。

それが2022年の夏、損保各社に報告する際は「不正の指示はなかった」と書き換えられていたことがわかっています。書き換えられたことがわかった経緯の中で、大手損保3社はビッグモーターに事故車の紹介を中止しました。

ところが、その中で「損保ジャパン」は▼不正の指示や▼「指示はなかった」と書き換えられていた可能性、を把握していた上で、その後、ビッグモーターに事故車の紹介を再開していました。

なぜ不正の指示が行われていたことを把握していながら、事故車の紹介を再開したのでしょうか?

この点について、損保ジャパンの白川儀一社長は「連携不足、若い方のスキル不足などで(ビッグモーターの)経営から指示してやったことではないという話があった。再開をした判断はあまりに軽率だった」と話しています。

こういったことから、損保ジャパンは客観的な調査を行うために外部弁護士による調査委員会を7月26日付で設置しています。

2011年以降、損保ジャパンからビッグモーターに37人出向していました。不正請求があった時期は、板金塗装部門の担当部長を務めた人物も損保ジャパンから出向していました。このときに知り得なかったのか、社長はこう話します。

損保ジャパン 白川儀一社長
「不正行為が行われている現場には立ち入りさせてもらっていない。私どもは知りようがなかった」