こうした中、新潟交通のバスの利用者からは新潟市が行った緊急支援や経営判断について疑問の声が上がっています。
【西区の住民】
「緊急支援として2億5000万円出たと思うんですけれど、使った内容をもう少し具体的に教えてもらいたいと思います」
【新潟交通 乗合バス部 渡辺健部長】
「令和2・3・4年という3年間で経常損失が累積で20億円を突破していたという状態でしたので、その部分に充当させていただいた」
一方で、新潟交通は今年の3月期の連結決算で、グループ全体では8億9700万円の黒字でした。

各事業の営業損益は乗り合いバスを含む運輸事業が1億100万円の赤字だったものの、不動産事業が11億2500万円の黒字、その他事業が4億円の黒字だったことなどが理由です。市民が「利益を上げているなかでの値上げ申請は理解できない」と訴えると…
【新潟交通 乗合バス部 渡辺健部長】
「運輸事業が持続可能な状態であるということが大前提だと考えています。乗り合いバス事業として収支バランスを改善する必要があるということで、運賃改定申請を決断させていただいた」

あくまで、事業区分ごとに収支バランスを安定させることが重要と強調しました。新潟大学経済科学部の藤堂史明准教授は、企業経営の判断だという認識を示した一方で「公共交通を担う事業者」という点をふまえ、こう指摘します。
【新潟大学 経済科学部 藤堂史明准教授】
「公的な助成を受けておりますので、その中で儲けが出た部分はそのまま受け取って、それ以外の赤字になる部分は助成を受け取るというのは、やはりちょっと一企業としては、なかなか市民利用者には理解され難いことをやってしまっているとは思います」

値上げした運賃を均一区間で比べてみると、新潟交通の260円は政令市の中で最も高い料金になります。
【中央区の住民】
「やっぱり各区で説明会をやるべきじゃないの。50円も上がるんだから」
【中央区の住民】
「利用者・市民が受け入れられるような施策を発表して値上げに踏み切るとそういうことが必要なのではないでしょうか。『私たちの交通機関は新潟交通だ』と言ってもらえるようなバス会社になってほしい」