公共交通であるバスの値上げは市民生活への影響が大きいとして、新潟市は7月5日、新潟交通を招いて市民の意見を聞く会を開催。市民からは値上げに反対する声が相次ぎました。

新潟市が開いた市民の意見を聞く会(7月5日)

【東区の住民】
「バスは住民の足なんです。運賃が値上がりになれば、バスを利用する人が減ってくるのではないかと思う」

【中央区の住民】
「5回も減便しておきながら、値上げというのは市民は納得しないと思います」

これに対し新潟交通は…

新潟交通 乗合バス部 渡辺健部長

【新潟交通 乗合バス部 渡辺健部長】
「公共交通事業者として、この先も継続して利用者にバス輸送というサービスを提供し、地域の交通ネットワークを維持していくことが使命だと考えているので、運賃改定を決断させていただいた」

乗り合いバスの年間利用者数を見てみると、新型ウイルスの感染が広がり始めた2020年から減少し、まだウイルス禍前まで回復していません。これに加え、燃料費などが高騰し、昨年度は、前の年度より34%も増えています。こうして収支バランスが著しく悪化しているとして値上げを申請したということです。

新潟大学 経済科学部 藤堂史明准教授

交通と経済に詳しい新潟大学の藤堂史明准教授は…

【新潟大学 経済科学部 藤堂史明准教授】
「少子化も進んでいますから若年層の利用も先細りということで、非常に経営的には厳しい状況に置かれています。利用者負担を据え置くために、行政的な、公的な補助を拡大するというのが本来あってしかるべき政策だと思います」

国交省の調査では、全国の民間バス事業者の7割が「赤字だ」と回答。さらに、ウイルス禍による利用者減少と燃料費の高騰で、全国で運賃の値上げが相次いでいます。政令指定都市で見てみると、今年だけでも17の事業者が値上げしました。