立憲民主党などの野党は、週刊誌に“セクハラ疑惑”が報じられた細田博之衆院議長への不信任案提出に向け準備を進めています。衆議院ではいま、一票の格差是正のために選挙区の“10増10減”の区割り見直しが専門家によって進められています。ですが、“10増10減”に批判的だった細田氏が苦境に立たされている現状に、自民党の地方を地盤とする議員の多くが困惑しています。その理由は?後藤部長の解説です。

後藤部長:
いよいよ国会も6月15日が会期末ですから、最終盤を迎えています。野党の攻勢を見ていると、立憲民主党などは攻撃のターゲットを衆議院の細田議長に絞って攻勢を強めています。細田氏への不信任案を6月7日にも提出することを視野に入れ進めています。

ーー不信任の理由は週刊誌による“セクハラ疑惑”報道ですか?

後藤部長:
そうしたことを野党側も問題視しています。細田さんは“事実と違う”と言っていますが、一連の報道について、具体的にどこが違うか?潔白であるなら会見を開くべきではないか?という意見が与党内にもありましたが、今は沈黙を守っています。
このため、立憲民主党などの野党議員は6月3日、衆院議長公邸に出向いて細田議長に対し、セクハラ疑惑についての説明を求める申し入れを行いました。申し入れを行った議員たちは細田氏の対応について次のように答えています。

共産党・本村伸子議員
「議長は、報道を信じているんですかと、私は事実無根だと言っていると。そして訴訟で事実は明らかにしていくんだということを仰っておりました。しかし、訴訟となればですね、1年とかそういう期間がかかるわけで、公人として説明責任をしっかりと果たすべきだということを申し上げさせていただきました」

後藤部長:
野党議員の申し入れへの対応は、繰り返し主張してきたことを改めて訴えたということだと思います。1つは事実無根であるということ。もう1つは、今後の対応として訴訟も検討しているということです。しかし、3日に訪れた議員たちが求めた、“国会の会期中に説明を行うこと”については答えはなかったということになります。

ーー訴訟を考えているとなると時間もかかりますね。

後藤部長:
議員たちもそこを指摘していると思います。時間稼ぎではないかと。こうした細田氏の態度を理由に、恐らく立憲民主党はそれを名目とした不信任案を提出するのだと思います。しかし、不信任が出ることでもう一つ細田氏が抱えている、あるいは自民党にとっても重要なテーマというのがあります。それにも影響が出るのではないかとみています。