現在の原爆資料館は、展示の意図が不明瞭な部分があるなどとして、長崎の市民団体が21日、改善を求める要望書を提出しました。

要望書を提出したのは、被爆体験の記録などを行っている「長崎の証言の会」です。

会では、現在の原爆資料館の展示について『被爆者の持ち物や写真などが淡々と配置されていて、その意図が不明瞭な点がある』と指摘。

戦争を知らない世代が実感を持って見学するためには、被爆前後の人生や被爆者が受けた差別などにも着目することが必要などとして、展示のあり方を改善するよう求めました。

長崎の証言の会 山口 響 事務局次長:
「被爆者の苦しみであったりとか、どういう差別を受けてきたかとか、どういうふうに家族関係が崩壊したかとか、そういったことが現在の長崎原爆資料館では、あまりうまく表現されていない」

長崎の証言の会 大矢 正人 代表委員:
「被爆者 および 戦争体験者の思いを、直接展示に反映できる最後の機会である」

原爆資料館では、被爆80年となる再来年の展示物更新に向けて、今年度中に基本計画がまとめられる予定で、長崎市は今後も証言の会と意見交換を続けたいとしています。