「たこ焼き研究の第一人者」に聞いた「たこ焼きのルーツ」

最後に「たこ焼き」研究の第一人者という専門家に話を聞きました。

たこ焼きを研究して40年「日本コナモン協会」の熊谷真菜会長。大学の卒業論文のテーマも「たこ焼き」という筋金入りの自称「たこ焼きキスト」です。

話を聞くと、まずたこ焼きのルーツについて説明してくれました。

(日本コナモン協会 熊谷真菜会長)
「たこ焼きの前身というのに2つありまして、ラヂオ焼きちょぼ焼きという2つの流れから たこ焼きが生まれたんではなかろうか」

熊谷会長から聞いた、たこ焼きのルーツの一つ目の説は「ラヂオ焼き」。

「ラジオ焼き」は大正時代から人気があり、こんにゃくやエンドウ豆を入れていましたが、ここにタコをいれたことが始まりだそう。

もう一つの説は「ちょぼ焼き」。

(日本コナモン協会 熊谷真菜会長)
「ちょぼ焼きという、ちっちゃなコナモンがございまして。実は大人はですね、そこにちっちゃなタコを入れていたという説があります」

「ラヂオ焼き」より古く、明治時代の終わり頃から西日本の駄菓子屋で売られていたといい、こんにゃくやえんどうまめ、たくあんなどを入れて焼いていたそうです。

「たこ焼き」が今の形で売られ始めたのは昭和初期の時代。当時の味付けは「しょうゆ味」が主流でした。

いずれにせよ「タコ焼き」のルーツはいろんな具材を入れてOK!という食べ物だったようです。

熊谷代表にも、名古屋のキャベツ入りたこ焼きを食べてもらいました。

(日本コナモン協会 熊谷真菜会長)
「おいしいですよね、これはこれでね。こうやっていろんなことが変わってその土地土地のたこ焼きが生まれるというのは、たこ焼きストと言われている私としては非常にうれしいというか、本当はもっといろんなところで展開があっても楽しいだろうなと思う」

ところで「たこ焼きじゃなくてお好み焼きボール!」と言っていた大阪の街の皆さんの「名古屋のたこ焼き」についてはこんな感想でした。

(大阪の街の人)
「タコが入ったお好み焼きって感じ、おいしい!」
「キャベツとか入っているから水っぽいのかなと思っていたが結構ちゃんと味が付いているなと思いました。おいしかったです。」
「いろんな味があった方が、みんなの好みもあるから全然いいと思う」

(たこ焼道楽わなか 和中徹会長)
「おいしいですよ。かつお粉の味とメリケン粉の味とそれとキャベツというかうまみがね、ありますね」

大阪生まれの記者の素朴な疑問から始まった調査。

たこ焼きは、その地方ごとに独自の発展を遂げていました。

(チャント!2021年12月2日放送)