中古車販売大手「ビッグモーター」の保険金不正請求。わざと車体を傷つけるなどして、保険金を水増ししていました。Nスタは、タイヤをパンクさせている動画を入手。不正の手口の詳細がわかってきました。

「組織的にやっていた証拠」工場長が“パンクのさせ方を指南”する様子

上村彩子キャスター:
ビッグモーターが車にわざと傷をつけて、大手損害保険会社3社に対して、保険金を不正に水増し請求していた問題、その不正の手口の詳細です。

ビッグモーター不正の手口〉※調査報告書や取材を基に作成
▼ゴルフボールを靴下に入れ、車体を叩く。
▼ドライバーで車体をひっかく。
▼ローソク・サンドペーパーなどで傷をつける。
▼ドライバーなどでパンクに見せかける。指導する動画も。

→動画では、タイヤにネジを突き刺し、ドライバーで押し込んでいくと、タイヤの空気が抜ける様子が映っています。この動画は、保険を適用させるために、わざとパンクをしたように装い、申請するやり方を、当時の工場長自らが指南している様子です。
いわば“不正請求の指南動画”とも言えるものです。

動画についてです。本部から厳しいノルマがあって、当時の工場長がパンクのさせ方などを指南する内容です。
動画を撮影したのは、元整備部門の責任者で、「自分の責任にされると困るので撮影した」。さらに「組織的にやっていた証拠としても撮影した」ということを話しています。

ホラン千秋キャスター:
この「組織的な」という部分が一体どれくらいの期間で、どれくらいの範囲なのかというところがわからないと、その被害の実態というのは、まだまだ見えてこない気がしますよね。

TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
この不正は組織的、常習的に続いていたわけで、内部調査や内部点検では限度があるというのがわかってきたので、やはり警察の捜査、それから国交省の立ち入り調査が必要になってきてると思います。実際に国交省も早急に対応するという動きのようなので、そういう公権力による解明が必要な時期になってきてると思いますね。

井上貴博キャスター:
自浄能力が全く働いてない中で、行政指導などは入るんだろうと思います。大変悪質だと思うのは、「修理工場はきちんと修理してくれるだろう」という信頼が当たり前にあって、それを「保険会社はチェックしてくれるだろう」という当たり前の信頼がある。この二つが根底からくつがえったかもしれないわけですよね。そうすると保険会社はどこまで認識していたんだろうかと、そこまで思いが及んでしまう。他の業界団体の会社に対しての風評被害、「お宅は大丈夫ですか」ということになる。この影響というのは相当根深いと思います。

TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
まずこの会社自体が自浄作用があるかどうかという問題と、保険会社がどこまで関与してきたか、そういうところを含めて全体状況を把握する必要があると思いますね。