論告の中で検察側は、犯行に至った経緯について、被害者へのストレスが蓄積していた中で暴力をとがめられ、怒りを爆発させたと指摘。
そして、佳寿美さんが生前、娘の成長を何より楽しみにしていたことや「夫のためにも死なずにいよう」と考え、宗武被告から「うつ病」などへの十分な理解や支援が得られない中でも治療に励んでいたとした上で「人の命は重く、どのような事情があっても殺害してはいけない」と主張。
さらに、精神不調時の言動に腹を立て犯行に及んだことを「短絡的」だと非難し、懲役10年を求刑した。
一方の弁護側。
特に2年ほど前から夫婦関係が悪化し「DVとまでは言えない」ものの、宗武被告が複数回、自宅から閉め出されていたことや、暴言を浴びせられたり髪の毛をつかまれたりするなどの暴力があったこと、小遣いや食事をもらえないなどの仕打ちを受けていたことを挙げ「非難できる度合いは強くない」と主張。
情状を考慮して懲役7年が妥当と訴えた。