「なんてことをしてくれたんだ」「やってくれたな」高校生の供述調書
初公判では、検察官が事故後の高校生の供述調書を読み上げました。
(高校生の供述調書)
「トラックの運転手に対しては『なんてことをしてくれたんだ』『やってくれたな』という気持ちです。『やってくれたな』には2つの気持ちがあります。
一つは悲しい、体を傷つけられたことへの怒りです。この言葉はこれ以上、言葉にできません。察してもらいたいと思います。
もう一つは前向きな意味です。私は事故にあうまで自分の将来を具体的にイメージしていませんでした。しかし事故にあって病院に入院し、医師やリハビリに携わってくれた人に治療や今後の学校生活について相談したときに、皆さん、私に心から親身になってくれました。私の場合、作業療法士が私の相談にのってくれて、悩みや趣味について話を聞いてくれました。そういう作業療法士の仕事に奥深い魅力を感じました。
『作業療法士になりたい』こういう思いを抱くようになった元々のきっかけは、1月14日の事故です。きっかけをつくったという意味で『やってくれたな』と思うわけです。
今はただそのイメージをもとに必死になって勉強することが今の自分にできる精一杯のことだと思っています」
読み上げられた供述調書の内容に、運転手はこらえきれず、むせび泣いていました。

「素敵な医療従事者に」高校生が左手で記した “今の気持ち”
事故から1年半がたった今、記者があらためて高校生に ”今の気持ち” を聞くと、高校生は左手でこう綴ってくれました。
(少年の直筆の手紙)
「私はこの交通事故をきっかけに、たくさんの素敵な医療従事者の方々に出会えました。入院中は支えてくださり感謝しています。私も素敵な医療従事者になりたいと思うようになりました」

高校生は、将来の夢を叶えるため、大学受験に向けて勉強を続けています。
