歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者(47)。自身に処方された睡眠薬を母親の喜熨斗延子さん(75)に服用させ、自殺を手助けしたとして自殺幇助の疑いで今年6月に逮捕されていましたが、父親の市川段四郎さん(76)の自殺を手助けしたとして7月18日に再逮捕されました。猿之助容疑者は「父親の自殺を手助けしたことに間違いありません」などと供述しているということです。犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は“今も残る謎”として、存在していないとされる「両親の遺書」、猿之助容疑者が両親にかぶせたという「ビニール袋」と死亡の関係をあげています。
◎小川泰平氏(犯罪ジャーナリスト):元神奈川県警刑事 30年の勤務経験 第一線で数々の事件を解決
―市川猿之助容疑者は7月18日、父親への自殺幇助容疑で再逮捕されました。「自殺幇助」ということは、警察は、「父親が自殺の意思を示したと判断した」ことになりますね。
小川泰平氏: そうですね。父親の段四郎さんに判断能力があったかどうか、というところが非常に問題でした。「判断能力がなければ、自分で自殺の意思自体を伝えることもできません」から。そういったところから考えると、ヘルパーや主治医、周りの者から話を聞くなどして、実際に意思の疎通が取れるぐらいの判断能力はあったんだろうというふうに警察が判断したんだと思います。
―父親の段四郎さんは体が不自由だったという情報もありました。
小川泰平氏: 認知症でも、いろんな程度があるのでどの程度かわかりません。実際、私が高齢者施設で取材をすると、知らない者とは全くコミュニケーションが取れなくても、例えば家族やいつも会っている人とだけは意思疎通が取れたりする方も実際にいらっしゃるそうです。