最近、飲食店でよく見かける配膳ロボットだが、現在国内で6000台以上が稼働している。人手不足の今、配膳ロボットは飲食店以外にも活躍の場を広げている。最新事情を取材した。
2030年には3万台予測 メッキ工場でも大活躍

都内のファミリーレストランで、店内を動き回る猫型の配膳ロボット「ベラボット」は3台が4時間半の充電で午前7時から深夜0時まで17時間休みなく稼働している。
ロボットには店内のレイアウトがプログラミングされており、画面内に写るテーブル選択画面から届けたいテーブルの番号を押すだけで、料理や飲み物を運んでくれる。障害物は足元のセンサーで感知してよけることができる。
すかいらーくホールディングスでは現在、全国約2100店舗に3000台導入したことで、配膳効率が大幅に上がり、食器を下げる時間も35%削減された。さらに、接客業務が削減されたことで、外国人にとって働きやすい環境になったという。

すかいらーくレストランツ 営業政策リーダー 北島正慶氏:
料理をロボットの上に置いて、テーブル番号を押してスタートを押すと料理が配膳できるようになりましたので、外国人の方でも迷わずお仕事できるようになったと思います。

人手不足に大きく貢献する配膳ロボット。市場調査会社は国内で2022年に6245台だったものが、2030年には3万890台と約5倍に増えると予測している。
群馬県富岡市にあるメッキ工場では、製造した製品を25m先の検査室まで運ぶ作業を配膳ロボットに任せている。

エルグ 石井隆由氏:
普段レストランとかで目にしていて、それがいざ当社に導入されたときどうなんだろうというのがあったのですが、使ってみて、だいぶ効率化されていると思います。
これまでは落下防止の観点から、人が両手でトレーを一つずつ運んでいたが、配膳ロボットを導入したことで、一度に複数の製品を運ぶことが可能となり、作業効率が15%程度上がったという。さらに、意外な効果も。

エルグ 桐原聡二郎代表取締役社長:
工場というとどうしても無機質というイメージなのですが、配膳ロボット一つあるだけで、「この会社、ちょっと変わったことをやっているな」という印象を持ってもらえております。