◆一貫して“無表情”の平井被告、“謝罪”の真意は?

福岡地裁小倉支部の法廷


体と心の不一致、ありのままの自分を周囲に打ち明けられず「相談」もできなかった。不安や不満、うっぷんは次第に歪んだ考え方につながっていく。平井被告は、一貫して無表情だったのが印象的だ。平井被告は判決を控えた審理の最終日にこう述べている。

平井被告「すごく後悔しています。最後にもし可能であれば傍聴席にいる被害者がいるのであれば謝罪したいのですが・・・」

裁判官に後ろをむくことを止められたため、平井被告は前を向いたまま続けた。
「被害者の方々本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」


◆「何ら落ち度のない者に悪意を向けた」厳しく糾弾した裁判長

福岡地裁小倉支部の法廷(12日撮影)


そして冒頭の一幕だ。傍聴席にいる人をよく見ていたのは被害者が来ているかもしれないということだったのだろう。判決の日も相変わらず無表情だった。

裁判長「自分も振り袖を着飾りたいとの思いがあったが実現せず、振り袖を着用している女性を見て悔しさの気持ちから犯行に及んだというが、何ら落ち度のない者に悪意を向けた、筋違いで身勝手な犯行。被害弁償はなされておらず、晴れの日に衣装を台無しにされた女性らが被った精神的苦痛も軽視できない」