「山口市菜香亭」できょうから始まったのは…
イラストレーターtaeco(たえこ)さんによる「イラスト展、そして裏話。」です。
室町時代の山口に本拠を置いていた戦国大名「大内氏」について知ってもらい、郷土への愛着を持ってもらおうと山口市が発刊している「西国(さいごく)一の御屋形様(おやかたさま)大内氏がわかる本」。
その3作目であり、シリーズ最終巻となる、「文化交流編」の発売を記念して開かれました。
taecoさんは、シリーズを通して表紙や挿絵などのイラストを担当しています。
イラストレーター taecoさん
「制作チームのいろんな思いがあったんだなという裏話を感じていただいて、歴史や山口のことがよりおもしろく感じてもらえたらなと思います」=
そう、今回の展示のポイントは、「裏話」。
「大内氏がわかる本文化交流編」には、行政やクリエイターなどおよそ10人が携わっています。
「大内氏をこう魅せたい」「こうなふうに知って欲しい」。

様々な分野の人々が抱く思いを、taecoさんが1枚のイラストにまとめあげていく過程が見どころです。
「修正をいただくたびに大内氏のリアルな姿に触れていくという感じがおもしろかったですね」「最初のラフ絵から本画の絵にどう反映されていっているのかっていうのを見ていただけると楽しいかなと思います」
こちらは大内氏の援助を受け、雪舟が絵を描いているシーンのラフ絵、下書きです。

taecoさんが最初に描いた雪舟は、机の上で「スーラスーラ」と筆を運んでいます。
ここに、「雪舟は、机ではなく地面に紙を置いて描いていた」「雪舟の筆運びは力強かった」という史実に基づいた修正が入りました。
雪舟の人物像を、「ぐぐぃ」という効果音、姿勢、表情に落とし込んで完成したのが、こちらのイラストです。
一方で…、明との貿易に使う船、遣明船の経営に参入した大内氏のシーンでは、史実よりも絵としてのインパクトが重視されました。
史実とは違う船の進む方向にするよう、調整が入ったそうです。
訪れた人は
「制作の裏話、それがなかなかおもしろくて興味深く見させてもらいます。特に、あぁこういう風に描いてたんだっていうのがリアルにわかってよかったですね」
「taecoさんが思っているとこと、その実際の歴史っていうとこをすりあわせているところが。裏話がわかることで視野が広くなった感じがして、倍、本が楽しめるっていうような感じがしますね」

「歴史も人も、裏話こそおもしろい」…。
そんな思いで企画された「イラスト展、そして裏話。」は今月17日までです。
期間中、菜香亭で「大内氏がわかる本」を購入すると、大内のお殿様をあしらった御屋形様缶バッチがもらえます。














