二酸化炭素の排出量を“実質ゼロ”とみなす次世代エネルギー『ブルー水素』を製造するためのプラント建設工事が12日から新潟県柏崎市で始まりました。国内で初めてとなる実証実験です。

柏崎市平井の天然ガス田では関係者が集まり、工事の安全を願いました。
天然ガスからブルー水素を作る実証実験は、大手資源開発企業のINPEXが始めるものです。

【INPEX 滝本俊明 取締役本部長】
「国産の天然ガスを使ってクリーンな水素、CO2を出さない水素を作る、国内で初めての事業」

実験では長岡市で生産した天然ガスを使い、年間700トンの『ブルー水素』を製造する予定です。このうち600トンを水素発電に利用して、1000キロワットの電力を新潟県内に供給します。

水素は脱炭素社会の切り札として注目が集まっています。
天然ガスから水素を取り出す際、二酸化炭素が排出されますが、回収・貯蔵することで、その排出量は実質ゼロとみなされます。こうしたブルー水素の大規模製造プロジェクトは国内初です。エネルギーの街で始まった動きに、地元の期待も高まっています。

【柏崎市 桜井雅浩市長】
「エネルギーの歴史をつくってきた柏崎市にとって本当にありがたい名誉な話であり、非常に大きな期待が寄せられる」

INPEXでは実証実験の成果を踏まえて、2030年頃には商業化したい考えです。